先日、『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』という書籍の存在を知りました。
娘の模試が迫っていた頃、塾で模試の過去問を貰い、その国語の問題文を読んだ娘が、
「この『冬の午後』って作品、『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』が出典だって。まいが主人公だよ」
と教えてくれたんです。
余談ですが、以前にも塾の国語のテストで寮美千子さんの『星兎』が出題されたことがあって、驚きました。
あんなマイナーな作品を。。出題者の国語の先生、侮れない。
『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』には、本編に繋がる物語『ブラッキーの話』『冬の午後』『かまどに小枝を』の三篇が収録されており、これは買わねば、と早速購入。
三篇とも味わい深く、とてもよい作品でした。
あとがきも良い……
Amazonの書影には帯がありませんが、帯にキュウリグサ、扉にギンリョウソウの装画が添えられていて、心憎い演出になっています。
私が本編を読んだのは、かれこれ20年以上前となり、確か最初は図書館で借りて読んだのでしたが、その経緯は忘れてしまいました。
図書館で借りたのは
こちらの書影のもので、一番最初に世に出た『西の魔女が死んだ』ではないかと思います。
ちょうど私が不登校していたころに出たのですね(苦笑)
実際に読んだのはもっと後のことでしたけれど、当時主人公のまいに共感し、おばあちゃんに憧れ、私にとってとても大切な本となりました。
キュウリグサは作品を読む以前から大好きな花でしたが、非常に小さく地味な花で、まさか児童文学の作品に登場することなどないと思っていましたので、『西の魔女が死んだ』を読んだときは心が震えました。
ギンリョウソウにしても、父に連れられて登山をした際に実際に目にしたことがあり、思い出深い植物だったもので、余計にそれらが重要な役割を持って登場することに驚き嬉しくなったものです。
長野まゆみ作品にしろ、梨木香歩作品にしろ、一般にはマイナーな植物にスポットライトが当たることがありますが、父のお陰でそれらの植物を実感を持って思い描くことができて、それはとても幸せなことだと思うのです(父に感謝しています)。
また今月、私の一番好きな本である、竹下文子さんの『木苺通信』が復刊、もとい文庫化しました。
正直に言うと、「なにも(楽しむ余裕がない)今でなくても……」という気持ちですが、復刊ドットコムで投票してから、すでに10年以上の月日が経ち、ついに念願叶ったのです。
ちょうど私が今の娘の年頃に、小学校の図書室で借りたのが『木苺通信』との出会いでした。
あの頃の私は、母と自分との違いを明確に感じだした頃で、母にとっては『木苺通信』はおそらく面白くない本なのですが、
私にとっては宝物のような一冊で、それまでは母の価値観を通して物を見ていたのを、私は母とは全く違うのだということを気づかせてくれた本かもしれません。
小学校高学年〜中学生という大磯での暮らしは、私にとって大変に辛い時期で、二度と大磯で暮らしたくないと思うほどですが、大磯で大切な出会いを少なくとも3つはしているのですよね……皮肉なものですね。。
『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』には私の大好きなツリガネニンジンも登場するので、ほんとに嬉しくなります。